ガラス製高品質レンズの製造
弊社では、ドライビングなどでニーズの高い、ガラス製の偏光レンズ・調光レンズ・調光偏光レンズを製造しています。海外の有名ブランドにも提供しており、特に偏光レンズフィルムのエポキシ接着剤を用いた接着は、弊社が長年研究開発してきた独自技術です。世界に唯一の偏光フィルムが剥離しない技術と光学特性は世界トップクラスです。これらのガラスレンズは、ハイエンドのビデオカメラ・カメラ・望遠鏡・双眼鏡・その他光学機器用レンズにも使用されています。
偏光ガラスレンズ
自然光中の散乱した光を一定方向に透過させる偏光度99%の偏光フィルムを、プラスチックレンズと比較するとはるかに透明度の高い鏡面研磨仕上げをした厚さ0.85mmの表面用レンズと、99.9%紫外線をカットするUVカットレンズで挟んで貼り合わせています。これによって、裸眼に入り込む乱反射した光をすべて打ち消しまぶしさを軽減すると同時に、目に有害な紫外線もカットする透明度の優れたレンズです。
光学特性
偏光レンズと通常のレンズとの見え方の違い
偏光レンズによって水面からの反射光がカットされるため、水中の様子がよく見える。
偏光レンズによってフロントガラス表面の反射光や強いハイライトが軽減されている。
調光機能付き偏光ガラスレンズ
多くのユーザーの声から生まれた、”偏光レンズ”に紫外線の量に応じて明るさ(レンズの明暗)を調節する”調光機能”をプラスした高機能レンズです。表レンズには紫外線量でレンズの色濃度が自動で変化する調光レンズを使い、中間にPVA(偏光)フィルム、裏レンズに99.9%紫外線カットするレンズを貼り合わせています。それによって、様々な天候の変化やシチュエーションに応じて最適な透過率(レンズの明暗)を自動で調節してくれる画期的な偏光レンズを生み出すことができました。
レンズの左半分をアルミホイルで包み太陽光の元で放置すると、太陽光が当たった右半分の色濃度が濃くなっているのがわかる。
レンズの材質
レンズの材質はガラスとプラスティックに二分されます。
ガラスレンズの特長
ガラスレンズは、光の透過性が高く、傷に強いため耐久性にも優れています。特にひずみがほとんど感じられないので、長時間使用しても目に負担をかけません。多くの高級サングラスはガラスレンズを採用しています。
- 光の透過性に優れているため視界がクリア。
- 傷に強く耐久性に優れるため長持ちする。
- ひずみがほとんど発生しないので、長時間使用しても目に負担がかからない。
- 熱膨張率が低いので屈折率がほとんど変化しない。
- 高級サングラスのほどんどはガラスレンズを使用。
- プラスチックレンズに比べて経年劣化が非常に遅い。
プラスティックレンズの特長
プラスチックレンズは、ガラスと区別する為、各種樹脂製のレンズと表記します。ガラスレンズに比べて比重が軽く、加工も容易で低コストです。ただし、ガラスレンズに比べて、歪・傷・透過性・耐久性では劣ります。
- プラスチックレンズの最大の欠点は、熱膨張で屈折率が変化する。
- 重量が軽い。
- 加工が容易。
- 低コスト。
- 製造時からひずみが発生している。
- ガラスレンズと比べて、枠にはめたときなど歪が大きく発生しやすい。
- 柔らかいので傷がつきやすい。
- ガラスレンズと比べて透過性が低い。
- 紫外線や温度湿度の影響を受けやすいため経年劣化が早い。
レンズひずみ測定器によるガラスとプラスティックの比較
レンズのひずみを測定するひずみ測定器にレンズをセットすると、ひずみのある箇所に虹色や黒色の模様が発生します。ひずみが大きいレンズを使用すると風景がゆがんで見えたり、目の疲れや視力低下を引き起こす場合があります。また、眼鏡フレームにこれらのレンズはめる際、プラスティックレンズはフレームからの圧力によって変形しひずみが発生する場合がありますが、ガラスレンズは非常に硬く変形することがないためにひずみが発生することがほとんどありません。
偏光レンズのひずみ比較
レンズ透過試験によるレンズの精度と透明度を比較
複数枚重ねたレンズを測定用のビデオカメラの前に設置し、映し出された映像の鮮明さからレンズの透明度や精度を視覚的に調べることができます。プラスティックレンズに比べてガラスレンズのほうが鮮明に表示されており、ガラスレンズのほうが透明度や精度が高いことがわかります。
レンズを5枚重ねた場合の映像比較
紫外線によるレンズの劣化を比較(耐候試験)
高出力紫外線発生装置に各種レンズの左半分をアルミホイルで覆い強力な紫外線を2日間連続で照射した結果、ガラスレンズ以外のすべてのプラスティックレンズはアルミホイルに覆われていなかった右半分が紫外線による劣化が発生し、色が薄くなっているのがわかります。
耐候試験後の各種レンズ
落砂試験によるレンズ表面の傷のつきにくさを比較
砂状の黒色炭化けい素を一定の高さからレンズ中央に自然落下させ、レンズ表面の変化を見ることで、レンズの傷に対する強さを調べることができます。試験後のレンズ表面を比較した結果、ガラス製レンズは表面にほとんど変化がなく傷に強いのに対して、アクリル製レンズは表面が白く曇っており非常に傷に弱いことがわかります。
落砂試験後のレンズ表面の比較
レンズ特殊加工
PVA偏光フィルム曲げ加工
偏光レンズに使用されるPVAフィルムを、湿度と温度の環境管理した室内にてお椀型に曲げる加工を施します。また、均一で歪がない安定した伸びを実現した上で、変形・ねじれの品質検査をデジタル画像センサーを用いて、不良個所の有無の品質管理を行っています。デジタル技術を用いて安定した高品質の商品を提供しております。弊社の商品は、レンズ球面(6B:R87.17,8B:R65.38 の球面)の2種類を主に製造しております。
偏光レンズ貼り合わせ加工
表用強化ガラスレンズ・偏光フィルム・裏用ガラス(UVカット)レンズをエポキシ樹脂を用いた接着し貼り合わせることで偏光レンズが出来ています。温度湿度を管理したクリーンルーム内でエポキシ樹脂を使ってそれらを接着することで高品質で剥離しないレンズが出来上がります。この工程は機械化・自動化されており、圧力を均一にし接着剤が接合面全体にいきわたるようにすることで、歪の全く無いハイエンドな偏光レンズが実現されました。